2010年09月19日

うずまき線香

うずまき線香

上の写真はうずまき線香と言われるものです。

通常の長さの線香ですと、火をつけて30分から40分程で

燃え尽きてしまいますが、この線香は約12時間近く長持ちします。

この渦巻き線香は法事や日常のお参りにはまず使うことのないのですが

お葬式には大変重宝します

昔から、お通夜の夜は朝まで

「ローソクと線香の火を絶やしてはいけない」

という掟があり、お通夜の夜は夜を通じて親族が交代で寝ずの番を

しながらローソクを線香の火を絶やさずに守るのが、通夜の語源であり、

朝まで弔うことが供養であると言われています。

昔からローソクと線香を絶やすことがタブーなのは

亡くなった方の魂が浄土まで行く道中が真っ暗であり、それを明るくする

為のローソクと道しるべとして迷わない為に線香を一本立てて

道案内をしなければいけないという宗教上の理由と昔は故人からの

死臭で獣が集まってきて追い払う為の「火」と死臭の匂いを消すための

「香」という実益の部分の理由があります。




一晩中、線香を焚き続けるなら長ければ長いほど良いのですが、

あまり長いと今度は使いづらいという難点が生まれます。

そこで考えだされた形が「うずまき形」なのです。

この形は蚊とり線香をヒントに考えられたそうです。

うずまき線香は朝まで火を守る方の負担軽減を考えて作られた

アイデア商品なのです。

これなら夜間に頻繁に新しい線香に変える必要が無くなる為、

大変便利な道具です。



最近は「火を絶やさずに」ということにこだわる方が

本当に少なくなっています。

本来の意味を理解している方減っているというのが一番の理由ですが、

私たち葬儀社も無理にお客さまにこの風習をお勧めすることが無くなって

いるのも理由でしょう。

とにかく交代といえど一晩中起きているというのはかなりの重労働です。

翌日のお葬式のことを考えると亡くなった方には申し訳ないのですが、

喪主さまはじめご遺族の皆様には十分な休息を取って頂きたいのが

私どもの本音です。








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Posted by フューネ三浦 at 09:00 │コメントをする・見る(2)お葬式の知識
この記事へのコメント
この話で、以前亡くなった祖父母の通夜をおもいだしました。まだその当時渦巻き線香は無く、夜通し両親叔父叔母親戚の者同士、いろんな個人にまつわる話を
聞きました。今思えば親世代の人たちから故人の事を聞く大事な時間だったようにも思います。今の時代物事のありようが日々変化して、大事な事を置き忘れて
いく様な気がします。私はその忘れ物を探す仕事を今更ながらやってます。
Posted by 味楽亭 たけ橋味楽亭 たけ橋 at 2010年09月21日 08:29
たけ橋さま
近親の親族だけで集まる最後の夜は日常ではなかなか話せないことも話せる貴重な時間ですね。
世の中が便利になれはなるほど貴重な何かが薄れていくように思います。
Posted by フューネ三浦 at 2010年09月21日 08:51
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    コメント(2)