2009年06月25日

喰い別れ

「喰い別れ」という言葉はご存知でしょうか?

日本古来より伝わる葬送文化の一つです。

意味は文字通り、「食べて別れること」

亡くなった方と一緒に食べる「最後の晩餐」という意味で捉えると

解りやすいかと思います。

もともとの意味は死者との「喰い別れ」をすることによって忌みの生活に

別れを告げ、日常生活をとり戻すことです。

名古屋のお葬式では「出立ち料理」というものがあり、

「亡くなった方と一緒に食べる最後のご飯」

という意味が込められており、

お葬式の朝、いつもより豪華な朝ごはんを用意します

初七日法要の後の食事ももともとは

「喰い別れ」の風習から発生した文化

食べることが「ご供養」になるという考え方の文化

が日本には根付いているのです。

ですから、葬儀に限らず、法要でも「食べる」ことは「供養」の仕方のひとつ。

実はこのことは結婚式にも当てはまります。

結婚することは確かに「お祝い」なのですが、

以前のブログ記事「白無垢」で説明した通り、

日本文化にあって「嫁ぐ」ということは、

二度と両親兄弟のもとには帰ることができない

という「別れ」の要素を含んでいるのです。

つまり、結婚式・披露宴の食事も「喰い別れ」なのです。

冠婚葬祭に於いて、およそ「食事をする」という行為に繫がるのは

「喰い別れ」の精神が影響しているのです。


  

Posted by フューネ三浦 at 09:00 │お葬式の知識

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2009年01月13日

死装束

先日妹の結婚式の際に書いた記事「白無垢」

「白無垢は死装束である」という意味が

込められているということを

ご紹介をさせて頂きましたところ、多くの方より結婚のお祝いと

「嫁ぐ覚悟」は「死にいく覚悟」

という白無垢本来の意味が解ってよかったというお言葉を頂きました。

私にとっても100年に一度と言われる大不況の中、会社を経営していくことは

時として「死に行く覚悟」が必要な局面に

遭遇することもあると思います。

現在大相撲の初場所は行なわれていますが、

場所前に「引退」をなんて言われていた

横綱朝青龍の真剣な奮闘ぶりが批判的な世論を変え

自身の応援歌に繋がっています。

まさに「横綱」という座を守る為の

まさに「死ぬ覚悟」の戦いが人々に「感動」

あたえるのだと思います。

さて、「死装束」といえば

実は武士が着る鎧や甲冑も死装束なのです。

武士の職場である戦場はまさにハレの舞台

出陣する際に武士(もののふ)」の晴れ着としてしての意味もありますが、

精神的には我が身を鎧う死装束として製作されたものなのです。

常に「死」が隣合わせの職場で武士が自己顕示のため

創意工夫を凝らしたものなのです。

もちろん鎧や兜の本来の目的は身を守るための道具なのですが、

それならば、派手な色の甲冑である必要もありません。

死装束だからこそ

武士が自分自身の生き様を表現するもの

ではないといけないのです。

今年の大河ドラマの主人公「直江兼続」の兜の前立ては「愛」



なぜ「愛」なのかということは諸説ありますが、

まさに直江兼続が伝えたかったメッセージそのものなのでしょう。

ところで現代の我々の「死装束」はスーツなのでしょうか?

実際に経営者の方がお亡りなると大抵の方が

死装束としてお棺の中にスーツを納めますから。



  

Posted by フューネ三浦 at 08:49 │役立つ雑でない雑学

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2008年12月09日

白無垢





この前の日曜日は妹の結婚式でした。

神社で行なう結婚式は日本古来の伝統に基づいたもので、

最近多くなったキリスト教式や神前式とは違った趣で結構新鮮な体験でした。

さて、神社で行なった時に妹が着ていたものは「白無垢」の着物。

打掛から帯、小物まですべてを白で統一する白無垢は

純白のウエディングドレスにない清楚な感じを醸し出しています。

ウエディングドレスの「白」は清廉さや処女の証という意味の他に

「私を貴方の色に染めて」

いう意味もがありますが、白無垢の白は同じ白でも全く意味が違います。

なんと白無垢の白は「死に装束」の白なのです。

つまり日本文化にあって「嫁ぐ」ということは、

二度と両親兄弟のもとには帰ることができない

ということ。そして以前のブログ記事で書いた通り

「白」は日本においては弔いの色なのです。

原則的に離婚なんて許されなかった頃の白無垢とは

まさに「死ぬ覚悟」の表れなのです

古来の日本の考え方では白無垢の花嫁は

今までの自分を葬るための「お葬式」そのものなのです。

冠婚葬祭におけるお祝い事や悲しみ事はまさに表裏一体

そのことの典型なのです。

純白のドレスが「陽」の色とするなら、

白無垢の白さは、まさしく「陰」の色

同じ白色でも欧米と日本では全く考え方の違う典型例でした。

  

Posted by フューネ三浦 at 09:49 │冠婚葬祭のこと

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