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2013年01月29日
地域の教育
2013年のNHK大河ドラマは「八重の桜」です。
主人公の新島八重の半生を描くドラマですが、注目の第1回目の
タイトルは「ならぬことはならぬ」でした。
これは八重の郷土である会津藩の人材育成の指針である
「什の掟―じゅうのおきて」
と言われるものです。
会津武士(上士)の息子たちは6歳から10歳までの4年間、町内の区域を
分割した「什(じゅう)」というグループに組み込まれました。
そこで徹底的に身体に沁み込むまで 暗記させられた
「ならぬことはならぬもの」という理屈ではない強い教えが、
会津武士道の礎となったのです。
什の掟は以下の通り
一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
現代社会にも通じるこの掟は人が社会の中で生きて行く為に絶対に必要な
倫理道徳心です。
什の掟は現代に置き換えれば「地域教育」です。
地域との関わりによって人は人間関係の基礎や社会的なルールや
マナーを体験の中で学ぶのです。
今、地域での教育がおろそかになってきていると言われています。
これはとても恐ろしいことだと思うのです。
なぜならば学校や家庭では教えてくれないことを地域から学ぶことによって
私たちは人格を形成しているのですから。
葬儀も元来、「地域教育」がら学ぶことです。
祭壇の設営や弔いの仕方から、お葬式に対する慣習やマナー
を地域の組や講と呼ばれるグループに属し、いわゆる長老と呼ばれる
年配者から若者へ葬儀に関連するノウハウを葬儀体験の中で学ぶのです。
地域が中心となって葬儀を運営していた時はこうした教育によってその地域に
おける葬送文化の伝承があったのですが、今は地域での
葬送文化の教育がなされないところが多い為、葬儀を請け負う葬儀社の
やり方や考え方が葬儀の仕方になってしまい、地域によって葬儀の仕方の
違いが無くなってきています。
地域色が薄れていくことは葬儀社にとってサービスが均一化され、
正直覚えることが少なくなり、楽になることなのですがやはり寂しいことだと
思うのです。
地域の教育が廃れるということはその地域の特色さえも喪失してしまうと
いう事実にもっと私たちは焦らないといけないのです。
Posted by フューネ三浦 at 09:00
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