2020年10月22日

お寺様が来ない

お葬式を生業にしていると想定外のハプニングやトラブルの発生は

日常茶飯事のことです。

人と人が交わる以上、様々な事故や誤解、感情の起伏による

トラブルなどなどがありますが、意外に多く、そして葬儀のプロとして

冷や汗をかくのが、「お寺様が来ない」ということです。

葬儀のスケジュールは結構、分刻みで動いており、遅れは

多くのお客様をお待たせすることで多大な迷惑をかけるばかりでなく、

葬儀後に火葬をする場合は火葬場のスケジュールを大きく狂わせる

ことになり、他の火葬を予定しているご葬家様にもご迷惑をおかけ

することになってしまいます。

お寺様が予期しない交通事故で大渋滞に巻き込まれて時間までに

辿りつけないことは不可抗力の部分もあり、仕方の無いことですが、

通夜・葬儀の場所を間違えて別の会場に行ってしまったとか、

そもそも、通夜や葬儀の日取りを勘違いしていたという明らかな

お寺様のヒューマンエラーは苦言の一つも言いたくなるものです。



お寺様が大幅に遅れて来られて通夜のお勤めや葬儀の式典が

出来ずにご弔問のお客様にはご焼香だけをしてお帰り頂いたなんて

いうことはこれまでに何度も経験をさせて頂いていますが、本当に

故人様にとって人生の一回きりのお葬式が台無しになってしまうことは

葬儀社としてはあってはならないことで、冷や汗がとまりません。

お葬式はやり直すことが出来ない人生における大切な儀式です。





お寺様のヒューマンエラーで来られないということもありますが、

体調に変調があったり、人身事故で救急車で運ばれたりして来ることが

出来なくなることもあります。

とにかく葬儀会場までお気をつけてお越し頂きたいと願うのみですが、

それも含めて何があっても対応できるように時間には充分に余裕を持って

行動することはプロとしては絶対に大切なことですね。

















  

Posted by フューネ三浦 at 10:31 │お葬式の知識

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2020年10月13日

供養のこころはあるのですが。

先日、ある禅宗系のご住職様とお話ししていた時に

「両鉢のお葬式は今年は一回だけだよ」

とお嘆きの言葉を頂きました。

「両鉢」とは禅宗系の宗派でのお葬式におけるお寺様の

フォーメーションのことで導師さまの左右に「鉢・印金・太鼓」の

鳴り物と呼ばれる仏教で使用する楽器を持った役僧さんを1対で

並べる陣容であり、この場合は導師を含めて7名の僧侶でお葬式で

読経をします。ちなみに「片鉢」と呼ばれるのは両方では無く片方のみ

のフォーメーションになり、この場合お寺様は4名です。

お寺様の人数が多いということは、読経においても見た目においても

迫力が増し、葬送儀礼を荘厳にします。



葬儀の簡素化という名目の下、お寺さまのお布施の事情も大変に

厳しくなっています。

結果的にお葬式に出仕するお寺様の人数が減っているのです。

一般のお客様はお寺様の人数が減ればお布施が安くなると思って

いらっしゃるのですが、それは事実ではありますが、

真実ではありません。

近年の葬儀代のお布施の目安として、お寺様〇名でいくらという

指標をいわゆる相場として使ってきた弊害ともいえます。

しかしながら、本来のそのお寺の檀家ならば、お寺様に〇名でいくら

ということでお布施の額を決めることは間違いです。

なぜならば、お布施は供養のこころで決めるべきだからです。

元来はその家の経済状況によって出せるだけの金額をお包みして、

寺院に寄進するのがお布施です。

ですから、お寺さまの人数に関係なく依頼をする人が思う

「供養のこころ」の対価をお支払いすればよいのですが、

現実はそのようにはなっていません。

お寺様を7人でも4人でも1人でも供養のこころが同じならば、

お布施は同額が正しいのですが、そうならないからこそ、

日本中の寺院様が現代社会において収入減となっているのです。















  

Posted by フューネ三浦 at 09:16 │日々いろいろ

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