今年の3月18日に中日新聞で2017年12月から2019年3月までの
長期連載記事であった「メメント・モリ」に加筆されて書籍として
発売されました。本のタイトルは
「死を想え(メメント・モリ)! 多死社会ニッポンの現場を歩く」
であり、フューネの納棺の取り組みを以前、連載記事として取り上げて
頂いた部分がそのまま219・220ページに掲載されています。
よろしければ、現代の終活事情の問題点が解りやすくまとめて
ありますので、興味のある方は是非ともご購入ください。
新型コロナウィルスが猛威をふるっている現況で、「メメント・モリ」
という本のタイトルは本当にタイムリーです。
「メメント・モリ」という言葉は中世のヨーロッパで使われたラテン語
の警句であり、日本語に訳すと「死を想え」とか「死を忘れるな」
という言葉になります。
「メメント・モリ」という言葉が生まれた歴史的な背景には伝染病の
黒死病(ペスト)の猛威により、人命が次々に奪われたという悲劇
の時の警句であったのです。まさに今の新型コロナウィルスと同じ
歴史的共通点があるのでタイムリーという表現を使わせて頂いて
いるのです。
地球上にいるすべての人が命の危険に晒されている現在、
私たちは否応なしに「死」の恐怖と隣合わせの状態です。
平和な時では考えない「死」を真剣に考えられる時なのです。
世界的に経済活動に対して甚大な犠牲を強いても、守って
いるのは人の命であり、命の重さに大小はないのですが、
助かる命と助からない命の選別さえ要求される医療崩壊寸前の
医療現場が世界中にあることを考えると今は非常時であることは
間違いの無い事実です。
非常時は日常時の常識は通用しません。
非常時だからこそ、「死」というテーマから逃げることなく、
向き合って、それぞれの命を大切にする時なのです。