葬儀と告別式 その1

フューネ三浦

2009年05月08日 08:53

先日、華玉山さまからコメント欄にご質問がありましたので

今回は質問に答える形で記事を書いていきます。

Q・記事内容とは違った質問しますが、忌野清志郎さんが亡くなりました。

葬儀・告別式の日取りが中スポ一面に載ってました。

それによると、葬儀は近親者のみで行い、

告別式は一般弔問を受け付けて…、となってます。

僕は今まで葬儀告別式は一緒だと思ってました。けど、

何か違うみたいですね。

確かに、葬儀・(テン)告別式になってます。

どう違うのか、教えて下さい。



A・確かに葬儀と告別式の違いがわかりにくいと思います。

現在のお葬式では便宜上、ほとんどの場合は

葬儀と告別式を1時間の中で一緒に行なう形式

のお葬式の式典運営が主流になっているからわかりにくくなっている

のでしょう。

葬儀と告別式の違いを理解して貰う為にわかりやすい例えで説明しますので、

例えが少々乱暴ですがお許しください。

結婚する時に神社やチャペルで行なう「挙式」が「葬儀」にあたり、

結婚のお祝いをする為に行なう「披露宴」が「告別式」にあたる

という感覚で間違いないのです。

今回の忌野清志郎さんのお葬式の形態はあえて例えるならば、

結婚式を親族と親しい友人だけで海外で挙式を行なって、

後日、日本へ帰ってきて披露宴を盛大にやるということでしょうか。

つまり、本来は葬儀と告別式は別々に行なうもの

なのです。

そもそも葬儀とは「葬送儀礼」という言葉の略語であり、

字のごとく、亡くなった方をあの世に送る儀礼式のことです。

告別式とはこれまた字のごとく、別れを告げる儀式のことです。

本来、通夜・葬儀は遺族や近親者の中でも特に故人と親しい間柄であった者

によって執り行われるものであり、これに対して告別式は

故人の死を悼む者であれば誰でも参列して良い

とされるものなのです。

近年、「お葬式は家族だけで」という希望の方が増え

「家族葬」が増加していますが、故人の死を悼む者であれば誰でも

参列して良いという告別式の部分を完全に省略したカタチが

「家族葬」
なのです。

よく考えてみると「家族葬」とは本来の原理原則に基づき

通夜・葬儀を行なっているだけなのです。

前出の結婚の例えでいくと挙式だけを親しい親族と友人だけで行なって

披露宴を全くしないケースと同じです。

しかしながら、家族葬をすることの一番の問題点はいくらご遺族の考えと

云えど、告別式の部分を完全に排除することによって

故人の死を悼む者の心の整理をする場所が全く無くなってしまう

ということなのです。つまり、このことが

「なんで私は故人と親戚以上の付き合いを

してきたのに、お葬式にもいけないのだ」


という不満がやがて怒りに変わり、お葬式後に

家族葬特有のトラブルに巻き込まれることとなるのです。

ですから、告別式の要素は実はご遺族が思っている以上にお葬式そのものを

成功させる重要な要素だと思います。

特に、会社の社長や有名人はいくら亡くなった本人の遺言や遺族の考えで

「家族だけ」でお葬式をしても社会通念上、

告別式をしないと皆が納得しないのです。

今回の忌野清志郎さんの場合でも葬儀とは別の日にわざわざファンの為に

告別式をやって頂けるのです。

ですから清志郎さんのファンの方はお別れの場を提供してくださった

ご遺族や事務所の配慮に感謝の心も忘れてはなりません。

現在は大会社の経営者や有名人が亡くなった場合は告別式から

宗教色を一切排除した「お別れの会」を行なうことが

主流となって来ました。

従来の告別式よりもさらに「お別れ」の部分だけにスポットを当てた

カタチの形態です。

現在の「お別れの会」は経営者や有名人がほとんどですが、

今後は普通のサラリーマンでも「家族葬」のあとに「お別れの会」」をされる方が

増えて行くと思います。

ただ、葬儀と告別式を一緒に行なった方がコスト的には

随分安くなるのですが。

つまり、経済的な事情で一般的なお葬式では葬儀と告別式を一緒に行なうと

いう側面もあるのです。

では、一緒に行なった場合は

「どこまでが葬儀でどこからが告別式か?」

説明したいのですが、長くなりましたので、次回説明します。



















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