子どもの頃、母親が作ってくれるお弁当はとても楽しみでした。
給食とは違って間違いなく、お弁当の中の食材は冷めているのに、
温かさを感じたのはやはり母親の愛情がつぎ込まれていたから
でしょうか。
弁当の定義は「屋外で食事をとる必要から携行する食物のこと」
ですが、弁当は日々の生活の中でも頻繁に食べるものでしょう。
コンビニなどで購入する弁当はその日のメインディッシュになることも
ありますし、駅弁フェアではおそらく、飲食店で買ったほうが安い
くらいの量と中身ですが、あえて弁当として購入することに美味しさ
以上の楽しみを感じさせてくれます。
お葬式の食事では弁当というものが定番です。
弁当というよりは仕出し料理といったところですが、間違いなく、
その場で調理をするものでなく、どこからか運んできた食材である
ことは間違いのないことです。
食事というものはやはり、一人で食べるよりは複数の方とおしゃべりを
しながら食べることで美味しさも増します。
葬儀の時の食事は故人を偲ぶ意味で非常に重要な会食の場所であるの
ですが、近年、故人を偲ぶ食事会というものを実施する方が
少なくなってきているものです。
「偲ぶ」ということの性質上、食事は大皿に盛りつけてある料理を
小皿に少しずつとって食べる形式のほうが良いのですが、個々の
弁当のスタイルでは無言で自分の料理だけを食べるというスタイルも
取れてしまいます。
「個」を主張することも出来る弁当ですが、気心の知れたメンバーが
集まって同じ弁当を食べれるのも弁当の特長です。
皆で集まって同じものを食すことが冠婚葬祭において結構重要な
ポイントなのです。