家族が重篤な病気療養中の時は面会の時に手を握ることは心情的に
自然な成り行きです。意識が無い時でも、手を握ることで何かを感じ
とって貰いたいと願うからこそ、生まれる行為だと思います。
臨終を迎えた時のこの世での別れの瞬間は手を握るだけでなく、
抱きついて別れをする瞬間です。死を迎えたと言っても、まだ体が
温かくそのぬくもりを感じることが出来る最後のチャンスだからこそ、
絶対に逃してはいけません。
ところが、お棺の中にご遺体を収めると、手を繋ぐといった行為を
皆様が極端に控えるようになります。
お棺にご遺体を納めた瞬間に大切な人が遠くに行ってしまったと
心理的に感じるのでしょう。
葬儀の式典が終わり、お棺を蓋を開けて最後のご対面をしている
時は余程のことがない限り、ご遺体に触れようとされるお客様が
いらっしゃいません。一番悲しい瞬間なのに、どこかで遠慮をされて
いらっしゃいます。
私たちがお体に触れてもいいですよとそっと一押しすることでこれまで
我慢をされていた方が堰を切ったように泣きながら顔や手を触っている
姿をこれまでに幾度となく葬儀の現場で見てきました。
本来、葬儀社はお客様にずっと手を繋いていて頂くような時間や空間を
お客様に提供しなければならないものだと私は考えています。
手を繋ぐだけで感じる心の繋がりは、家族や恋人にとっては大切な
精神安定剤だと思います。
「感動葬儀。」を掲げるフューネだからこそ、手を繋ぐことで
伝わってくる愛情や過去の楽しい思い出を是非お客様に提供したいと
考えているのです。