遺体取り違えがなぜ起きる?

フューネ三浦

2016年03月16日 08:36

大変残念なニュースなのですが、ご遺体の取り違えというあっては

ならないことが起きてしまいました。

それも、株式を東証一部に公開している、葬儀社の雄である

燦(さん)ホールディングスです。

以下の引用文は朝日新聞の記事です。

 葬儀業の燦(さん)ホールディングス(大阪市)は10日、子会社の公益社が運営する身元不明遺体などの管理施設で、火葬する遺体を取り違える事案が2件、計4遺体あったと発表した。間違いを隠すため、意図的に別の遺体を火葬にまわしていたという。

 問題があったのは、公益社の玉出営業所(同市西成区)にあるステラ事業所と呼ばれる施設。大阪府警との契約で、身元不明や身寄りのない遺体を常時50~60体ほど預かっている。

 会社側によると、昨年6月19日に府警河内長野署から身寄りのない男性(71)の遺体を預かった。7月21日に火葬にまわす予定だったが、6月15日に預かっていた身元不明の遺体を間違えて火葬にまわしたという。

 数日後、別の社員が気づき、ステラ事業所の責任者に報告した。しかし責任者は上司に報告せず、つじつまを合わせるために、男性の遺体を身元不明の遺体と偽って火葬にまわしたという。

 今年1月、男性の遺骨の引き取り人から燦HDグループに「社員から他人の遺骨と入れ替わっていると聞いた」と問い合わせがあり発覚した。

 社内調査で2014年にも、府警西成署から預かりを依頼された身元不明の2遺体で、同様の事案があったことがわかった。同じ責任者がかかわっていたという。

 燦HDは2件以外にはもうないとして、調査は終えている。

 同社は2月2日になって、これらの2件を府警や関係自治体などに報告した。同社は2月8日付で、古内耕太郎社長を含む代表取締役2人ら計4人の役員を減俸10%、2カ月の処分にしていた。鈴江敏一・常務執行役員は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。今後は再発防止策を講じる」と話している。

 大阪府河内長野市は公益社からの報告を受け、再発防止策の徹底を求めた。取り違えた遺骨については、引き取り人に正しい遺骨が渡るよう要請した。(岩沢志気、鈴木洋和)



今回は取り違えに加えて隠ぺいした事実も加わりなんとも同業者として

は悲しいものです。そもそも、一日一組を売りにしているフューネに

おいては基本的に起きないことなのですが、身元不明や身寄りのない

遺体を常時50~60体ほど預かっている施設を所有している大企業

ならではの事故であるともいえるのです。



以前、赤ちゃんの取り違えを産院がしてしまいその後の人生を描かれた

映画を見ましたが、死者だからといって取り違え事件は絶対に起こして

はいけないものです。

多くの方にとって衝撃的だと思いますが、身元不明や身寄りのない

遺体を保管しておく施設というものは全国各地にあり、数体から数十体

まで複数のご遺体を同所に保管しています。

当然のことながら、取り違えのリスクはあり、それを防ぐ為の確認の

順守事項はルールとして存在しています。

結局のところ、基本的な確認作業を怠った時にこのような取り返しの

つかないミステイクが発生してしまうものです。



フューネにおいても対岸の火事とせず、複数のご遺体を扱うような場合

においては確認・確認で細心の注意を払っていきます。

このようなことが起きないように、そして巻き込まれたご遺族に苦悩を

与えないように絶対にしなければなりません。



関連記事