葬儀の相談を生前に行い、もしもの時を向かえるお客様が年々
増えています。フューネにおいても全施行の
約半数のお客様が
生前相談・生前見積りを希望されています。葬儀社の立場から言えば
「葬儀の相談なんて縁起でもない」
という言われた時代は最早、過去のものです。
「もしも」の時に慌てないないような事前の準備は必要であり、
その準備を最近では
「終活」という言葉で表します。
葬儀の相談を生前にされるお客様が増えたとはいえ、ほとんどの場合
亡くなる予定の方の近親者が相談にお越しなられます。自分の死を
予定して生前にご相談にお越しになられるのはまだまだ少数です。
本人が自身のお葬式を準備して亡くなった最近の有名な事例として
41歳という若さでお亡くなりなられた流通ジャーナリストの金子哲雄さん
のケースがあります。葬儀のプランから会場の選定・参列者に渡す
会葬礼状やおもてなしまですべて自分自身が決めたというところは
まだまだ珍しいことでメディアでも大きな話題となりました。
死後に発売された
「僕の死に方~エンディングダイアリー500日~」
は大変大きな反響を呼びました。
本人が自身で葬儀の生前相談した時に担当した葬儀社の社員としてして
辛いのは会うたびに病状が悪化していくところを間のあたりに見て
しまうことです。自然の成り行きですが、
「頑張って!!!」
「死なないで!!」といった感情が生まれてきます。
そして、その日を迎えた時の寂しさは担当者というよりも一人の人間
として情緒が不安定になるくらい辛いものです。
しかしながら、私を信頼して自分の最期を託してくれたそのお客様は
かけがえのない絆で結ばれているように思います。
私自身はこのようなお客様との出会いは数例しかありませんが、
今後はますます増えていくでしょう。
自身の最期を託す相手が葬儀社であり、担当者であることに
この仕事をしていて最も誇りを感じることであり、誰かの役に立っている
ことを最も実感できる瞬間なのです。
いずれは誰もが通る「死」という通過点をお手伝いできることの尊さは
これまで通過点を通って行った多くのお客様に教えて頂いているのです。