親が亡くなっても働かなければならない人々
お葬式は突然やってきます。いくら余命宣告を受けている方でも
亡くなる日までは意図的な力(自殺・殺人)が加えられない限り、
誰も亡くなる日まで予測できません。
「お葬式会場が予約できたら・・・」
というお客様のご要望は多いですが、
実際に予約されてもその日に亡くなる保障はなく、現実には先着順で
お受けするしかないのです。
突然やってくるお葬式にご遺族の皆様も突然対応しなければなりません。
臨終から通夜・葬儀・初七日まで最短で行なっても
3日間は体が拘束されます。
その間、仕事も学校も休まなくてなりません。
サラリーマンや学生であれば忌引き休暇を取得すれば良いのですが、
そうはいかない人々もいるのです。
自営業者や経営者・芸能人やスポーツ選手など、およそ自分が職場を抜ける
ことが出来ない職業の方は時として親が亡くなってもすぐに職場を
抜けられない人々ではないでしょうか。
私が過去に担当したお客様でも
床屋さん・お医者さん・
写真屋さん・お寺様・弁護士さんなどは自分の親が
亡くなっても仕事をしながらお葬式をやらなければならない
職業の方々でした。
お葬式も打ち合わせすら、午前の診療時間を待って行なったお医者さまが
喪主様であったお葬式もありますし、お寺さまの場合は今受けている
檀家のお葬式をすべて消化したあとでなければお葬式が出来ないと
自分の親のお葬式を一週間も先延ばししたケースもありました。
スポーツ選手などはお葬式すら参加できないことも。
そのような職業を選んだ宿命といえば宿命ですが、やはりお葬式ぐらいは
参列させてあげたいと思うのが人情ではないでしょうか。
親の臨終に立会い、その後のお葬式までじっくりと最期のときを
共有できる方は実はとっても幸せなことなのです。
ただ、当事者は悲しみが先立ちなかなかその幸せに気付きませんが。
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