元来、お葬式というのはプライバシーというものは無いものだと
思うのです。お亡くなりになられた方への弔意があればという前提で
弔問客は誰でも受け入れなければならないし、ご自宅が葬儀の会場
であれば、本来プライベートの空間にも他人が土足で入り込んでくる
ことは一定のレベルでは覚悟をしなければなりません。
その上、親族が集まれば親族の情報は表面化するし、皆様から頂く
供花や供物も看板名を見ればどのような人間関係で並び順を見れば
人間関係・お取引先とのパワーバランスまで解ってしまうのです。
そのようなプライバシーを侵害されることに違和感を抱く、お客様の
ニーズが葬儀会館という葬儀専用施設を流行らせ、人間的な付き合い
の煩雑化に対し家族葬という選択を多くのお客様が受け入れています。
葬儀会館内のサービスも、お客様のプライベートの空間である控室
には可能な限り立ち入らないことは現在はとても重要なこと
なのですが、葬儀という特性がゆえプライベートの空間に
弔問のお客様が入りトラブルになることもしばしばあるのです。
お客様との距離感はとても難しいのです。
「離れすぎず近すぎず」
お客様のプライベートを意識しすぎて、お声がけの回数を少なめにした
ところ、「何もしてくれない」「近くにいてくれなくて不安だった」
というお叱りを頂くこともあれば、
「細かいことまで確認されて鬱陶しい」「ちっとも落ちつけない」
というクレームを頂くこともあります。
つまり距離感の数値的な正解はなく、葬儀社の社員の肌感覚に
頼る他がないのです。
お客様が求めている距離感を保つことはサービス業としては
当然のことながら、しかし熟練の技術のいるとても
難しいことなのです。今後ともお客様が快適に思う
距離感を保つ為の技術を磨きをかけて参ります。