最近の葬儀における動向とみていると決定権と決裁権を持つ人が
同一でないことが多くあります。
決定権とは文字通り「これだ」と決定をする権利であり、決裁権とは
最終的な意思を決定する権限のことです。例えば会議などで、
採決結果が可否同数になった場合、議長や委員長がもつ決定の
権限であり、議会は決定権も持っているのですが、最終の決裁権は
議長が持つものです。同様に会社においても決定権は各責任者が
もっていても、最終的な決済権は代表権を持つ社長が持っていると
いう場合が通常です。
さて、お葬式のスタイルや規模、花の飾り、返礼品等々の細部まで
決定をするのが女性になってきています。
喪主は決裁をするだけなんて事例が多くなっています。
最近は葬儀会館を選ぶのも若い息子や娘がスマホを片手に
「ここが良さそう」
という感じで選定をして、親がその選定をみて、最終の決裁をして
葬儀社を選ぶなんてこともあるのです。
葬儀社の立場から言えば、これまでは決定権と決裁権が同じ人物
でしたから、その人をだけをターゲットにしてお話を進めればよかった
のですが、今は誰が決定権をお持ちなのかを考えてお話を進めないと
いけません。決裁権のある人にいくら決断を迫っても決定がなされて
いないと進まないものです。半面、決定権を持つ人だけを尊重して
いても土壇場で物事が進まなくなるのです。
何事も決定権と決裁権が分離する世の中であることを理解して、
これからのお葬式を円滑に運営していなければいけません。