白無垢
この前の日曜日は妹の
結婚式でした。
神社で行なう結婚式は日本古来の伝統に基づいたもので、
最近多くなったキリスト教式や神前式とは違った趣で結構新鮮な体験でした。
さて、神社で行なった時に妹が着ていたものは
「白無垢」の着物。
打掛から帯、小物まですべてを白で統一する白無垢は
純白のウエディングドレスにない清楚な感じを醸し出しています。
ウエディングドレスの「白」は清廉さや処女の証という意味の他に
「私を貴方の色に染めて」
いう意味もがありますが、白無垢の白は同じ白でも全く意味が違います。
なんと白無垢の白は
「死に装束」の白なのです。
つまり日本文化にあって
「嫁ぐ」ということは、
二度と両親兄弟のもとには帰ることができない
ということ。そして以前の
ブログ記事で書いた通り
「白」は日本においては
弔いの色なのです。
原則的に離婚なんて許されなかった頃の白無垢とは
まさに
「死ぬ覚悟」の表れなのです。
古来の日本の考え方では白無垢の花嫁は
今までの自分を葬るための
「お葬式」そのものなのです。
冠婚葬祭におけるお祝い事や悲しみ事はまさに
表裏一体。
そのことの典型なのです。
純白のドレスが
「陽」の色とするなら、
白無垢の白さは、まさしく
「陰」の色。
同じ白色でも欧米と日本では全く考え方の違う典型例でした。
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