「鬼のパンツは いいパンツ つよいぞ つよいぞ♪」
幼稚園に通う我が家の長男坊が時折、歌う「鬼のパンツ」という
歌はユーモラスで耳に残るフレーズで、微笑ましいものです。
歌詞の意味は丈夫な鬼のパンツをみんなで履こうと繰り返し
呼びかけるものですが、どうもこの歌はイタリアの曲であり、
原曲とはまったく関係のない歌詞が日本でついているそうです。
ところで、なぜ鬼のパンツは決まって「トラ柄なのでしょうか?」
今までパンツの柄まで意識して見てこなかった方もいらっしゃる
でしょうが、よく見て頂ければパンツは決まってトラ柄です。
それは鬼の住処かである方角に由来しています。
鬼の住む方角を
鬼門といい。北東のことを指します。
上の表のとおり、北東は別の表現の仕方で「うしとら」の方角のことで
なのです。ですから鬼のキャラクターには「丑」と「寅」が表現されて
いるのです。
トラはパンツ柄で。
では「ウシ」はいうと鬼のツノは
「ウシ」のツノなのです。
鬼という語源をたどると
「隠(おん)」という言葉の言い換え
であり、「オン」が変化して「オニ」に変わりました。
隠とは隠れるという意味でつまりは死者のことなのです。
昔の人は死者に対するケガレ・畏敬や恐怖心から鬼という
キャラクターをつくりあげたのです。
2月3日の節分の豆まきは家の中から邪気を追い払う日本の伝統行事
ですが、節分の時にかぶる鬼のお面も可愛らしいキャラクターのもの
が増え、「鬼のパンツ」の歌も幼稚園児が口ずさむ昨今では鬼の持つ
本来の恐怖は全く表現されていないのが実情です。
「鬼のパンツ」の歌に日本語の歌詞をつけた人は鬼の本来の意味合いを
理解して付けたとは到底思えませんが、それはそれで良かったこと
なのでしょう。