デフレの弊害

フューネ三浦

2015年09月25日 08:13

先日、海外に行く機会があり、久しぶりに日本を離れてみると日本では

あたりまえのことがあたりまえでない現実に改めて日本の素晴らしさを

再確認できました。例えば、水道の水が飲めること、トイレにシャワー

があること、自販機でモノが簡単に買えることなどなど・・・

私たちはあたりまえをあたりまえにしてはいけませんね。



さて、円安の影響もあるのですが、中国をはじめアジア周辺の国々と

日本の物価の差は数年前と比べてもほとんど差が無くなっていることを

知識として知っていましたが、改めて海外に出て行って実感しました。

逆を言えば価格差が無くなりつつあるからこそ、海外からの観光客が

日本に急増している理由が解りますし、価格差がないからこそ出来る

爆買いなのでしょう。

価格差がなくなったということは日本の国力が落ちていることと

諸外国の国力が上がっていることの両面が考えられますが、一番の

原因は長らく続いているデフレでしょう。世界の常識は緩やかな

インフレなのに、日本は物価が安くなるデフレの状態であり、

グローバルな観点で見ればこれは間違いなく不利な状況と言わざる

得ません。

ヨーロッパではマクドナルドのセットが2000円近くするのに、

日本では500円前後で買えることもデフレ経済が招いた象徴であると

思うのです。




アベノミクスと称した経済政策の中でもインフレ目標は明確であり、

これからの日本は間違いなくゆるやかに物価は上がっていくでしょう。

しかし、給与水準が変わらず、しかも消費税が上がる現況では先行きは

決して明るくなく、ここまでは消費が落ち込みインフレどこかさらなる

デフレの可能性もあるというなんともいえない現況でしょう。



実は世界の葬儀単価はほぼすべての国で上昇をしているのに対し、

日本だけ単価が下がっているのです。日本人が冠婚葬祭に対し、

お金をかけなくなったと片付ければそれまでなのですが、貯蓄という

観点でいけば余裕の無くなっている世帯が急増していることは

事実です。葬儀に使う備品や消耗品はほとんどが中国産であり、

毎年仕入れ価格が上昇しているのに、それをお客様に転嫁できない

くらい葬儀単価は下がっています。多くの葬儀社は以前よりも大変

厳しい経営状況になっているのです。





物価が「安い」ということは良いなのですが、諸外国の国々の物価が

上がる中で物価が上がらないのはどこかで弊害を招くものです。

給与が上がって生活水準があがって物価が上がる。

経済の好循環が日本でも起きるように願いたいものです。






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