「ショールーミング」という言葉はまだまだ日本では聞きなれないと
思いますが、この言葉の意味はご存知でしょうか。
消費者は品揃えが豊富な小売店で確認した商品をその場では買わず、
ネット通販によって店頭より安い価格で購入することです。
ネット通販では、従来型の小売店よりも安価な価格で商品を提供することが
多い為、店頭展示品が消費者によっていじり回されるという点でも
店側に悪影響を及ぼしているのです。
店頭で商品を実際に触って確かめ、スマートフォーン(スマホ)を使って
アマゾンや価格.comなどの安く販売しているネット上のショップを調べ、
ネットで買う。若者を中心に広がっている購買のパターンなのです。
これはデパートの洋服売り場はネット通販の為の試着室になって
しまいますし、家電量販店は大きければ大きいほど優秀なショールームに
なっているのです。
特にこの1年間に「ショールーミング」と呼ばれる新しい消費行動が顕著に
増えてきているのです。これはスマホの普及が大きく影響していて、
商品を手にとったその場で、ネット検索をして店頭より安く買えてしまう
ということです。
これは店側にとってとても恐ろしいことで、有効な対策が出来ない店舗は
倒産の憂き目に合うくらい恐ろしいことです。
しかも、企業が大きければ大きいほどリスクが高っているのです。
「葬儀」という商品も例外ではありません。実際に価格.comには
価格比較として「葬儀」という商品が販売されていますし、
お客さまが葬儀会館に葬儀の相談にお越しになられて1時間~
2時間ほどお客様に合った商品企画をこちらが提案しても
その企画をもってネットで検索してさらに安い葬儀社を探すという
消費行動は信じられないかもしれませんが、フューネにおいても
年間10組以上のお客様を逸失しているのです。
ネット上では専門的な知識を習得しているプロの接客が受けらないし、
店舗を構える必要がない為にその分、商品を安く提供することが可能です。
つまり、価格優位性においてネット上の店舗が圧倒的に優位なのは
事実です。消費者はネット上では受けられないサービスを無償で
既存店舗で受けて、そこでお金を落とさずに価格だけで商品を選択してしまう
「ショールーミング」という新しい消費行動が増えれば増えるほど、
既存の「小売り」という商習慣が崩壊する危機にあります。
当然、該当する小売り店は対策をしていますが、このままでは今までは
無償で受けられていた試着も有償サービスになってしまうかも。
大型量販店ではコストコのように会員制システムか入場料が必要になって
くるようになるでしょう。
では葬儀社はどうか。
今まで無償で相談に乗っていた葬儀の事前相談や生前見積りは有償になって
いくはずです。
いつの時代も時代に合わせることが出来ない者は衰退していくことは必定
ですが、「ショールーミング」という消費行動は経営者にとって企業の
存続を揺るがすほど、恐ろしい大革命前夜の予感がします。