最近、ほとんど使うことが無くなった仮名文字で
変体仮名(へんたいがな)と総称される文字があります。
下の図は変体仮名の代表的な文字の一覧ですが、私は一文字一文字を
を表を見て解読しなければ全くわからない領域です。
平仮名の字体のうち、1900年(明治33年)の小学校令施行規則改正以降の
学校教育で用いられていないものを変体仮名と呼んでいますが、
現代では看板や書道など限定的な場面でしか使われていないのが実情です。
しかしながら、葬儀社はこの変体仮名の一覧表をしばし仕事で使うことが
あります。それは人の名前に使われている場合があるのです。
現代では戸籍上の人名には変体仮名を使うことができませんが
1948年(昭和23年)の戸籍法施行までは変体仮名が戸籍上の人名として
使うことができたのです。
つまり、1948年以前に生まれた方、特に女性は本名が変体仮名である方が
結構多いのです。
この変体仮名が含まれている方がお亡くなりになると、お葬式に使う看板類や
会葬礼状をはじめとする印刷物に使用するのです。
一般的なコンピューターのフォントに変体仮名が収録されていないので、
このような変体仮名を使う時は、一文字づつ作るという作業が発生することが
あります。変体仮名に対応するには結構な苦労があるのです。
このようにして変体仮名が本名の方のお葬式にも対応しているのです。
当然のことながら、役所に提出する死亡診断書も変体仮名で提出します。
一覧表を見ながらお客様の代筆をするときは何度も別の紙に書いて
練習をして書いたことは良き思い出です。