遷宮

フューネ三浦

2013年04月30日 09:07

いよいよ、5月10日に縁結びの神様として知られる出雲大社で

大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が修造が完了した御本殿に

お還りになる「本殿遷座祭」が営まれます。

神様の引っ越しのことを遷宮といいいますが、今年は伊勢神宮と

出雲大社の両方が遷宮をする「当たり年」と言われています。

日本という国を作ったと言われているそれぞれの神様が同時に

引っ越しをされる訳ですから。何ともめでたい年なのです。




出雲大社の遷宮は今回で4回目。およそ60年に一回行うものと

言われています。これに対し伊勢神宮の式年遷宮は20年に一度です。

ちなみに「式年」とは「定期的」という意味です。ですから式年遷宮とは

定期的にあらかじめ決められた年数で神様が引っ越しをするという意味

になります。

実は出雲大社の遷宮は式年遷宮ではないのです。

それは、出雲大社においては概ね60~70年ごとの周期で神社の正殿が

建て替えられてきましたが、その建て替えが必ずしも定期的では

ないからなのです。

ですから、あくまで次は60年後だろうということで、伊勢神宮と出雲大社の

両方が揃って遷宮を迎える年というのはとても珍しいことであり、もしかしたら

このブログを読んで頂いている皆さまにとって生きている間にこのような年に

あたるのは最初で最後のことになるでしょう。




伊勢神宮のご祭神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)ら

高天原にいた神々(天津神)は、「葦原中国(日本)を統治すべきは、

天津神、とりわけ天照大御神の子孫だ」として、天から天照大御神の子孫が

降りてきた時にそれまで日本を統治していた出雲大社のご祭神である

大国主大神が自身の宮殿建設と引き換えに国を譲りました。

これが「国譲り」と呼ばれる神話であり、この時約束をして

作って頂いた宮殿が出雲大社なのです。

大国主神はその後すぐに自決してこの世を去りました。

そして、幽冥界(あの世)の主、主催者となったのです。

神話では「伊勢は日が昇る国であり日本の昼を治める国」といわれ、

「出雲は日が沈む国であり日本の夜を治める国」と言われています。

日本地図を見ると確かに伊勢の方角から日が昇り、出雲の方角に

日が沈んでいきます。

この世とあの世を守る神様が私たちを守ってくれるという考え方が

私たちが伊勢神宮と出雲大社の両方を特に大事にしている

理由なのです。


関連記事