2009年05月10日

葬儀と告別式 その2

葬儀と告別式 その1 に引き続き、葬儀と告別式の違いを

説明させて頂きます。

その1で説明しましたように本来は葬儀と告別式は別々にするものと

いうことはご理解頂けたと思います。

社葬などの大規模のお葬式の場合はお参り頂くお客様の人数も

一般的なお葬式と比べると大変多い為に葬儀と告別式を一緒に行なうと

全てが終わるのが2時間以上かかってしまうことがあります。

昨日の忌野清志郎さんの告別式に於いては5万人対応だったそうです。

当初の計画では告別式は午後1時から2時までの1時間の予定だった

そうですが、午後6時までの延長をし、

さらに弔問客を拒まないという心意気

故人の死を悼む者であれば誰でも参列して良い

という告別式の原理原則を徹底的に守り抜いた主催者側の心意気に

感動です。

さて、話しを元に戻させて頂きますとこのような大規模のお葬式の場合、

ご弔問のお客様をご焼香までに長時間お待たせすることになりますので、

葬儀は親族と会社関係の重要なお客さま

告別式は一般のお客様と別けて応対するのです。

例えば、葬儀を午前10時より11時まで

告別式を午前11時より12時までというようにします。

そうすれば葬儀に参列する重要なお客様は11時で帰ることが出来、

一般のお客様は午前11時からの告別式に間に合えば良いので結果として

長い間待たなくても良いのです。

しかしながら、実際のこのようなお葬式の形態では一部の一般のお客様が

間違えて午前10時に来てしまうことが多々あります。

そしてそのようなお客様のほとんどの方は葬儀と告別式の違い

ご理解されていない方ばかりです

訃報には葬儀10時・告別式11時と記載が必ずあるのですが、

意味がわからないから葬儀の開始時刻である10時に来てしまうのです。

これはいつも起こり得るミステイクですので、葬儀委員長と葬儀社が十分な

連携をしさらに訃報を受け取るお客様が気をつけなければいけない問題です。

また、お寺のご住職がお亡くなりの場合は在家の檀家の方のお葬式とは違い、

葬儀の儀式の仕方も違い、葬儀そのものに時間がかかる為に葬儀式と

告別式を分けて行なうこともあります。

通常の一般的なお葬式の場合は大規模のお葬式とは違い、

ご弔問のお客様も限られてくることから葬儀・告別式は通常1時間の中で

まとめて実施しています。

お客様も我々葬儀社の社員も正しく「葬儀ならびに告別式」

毎回表現すればよいのですが、適当な略語もなく、「葬儀」と言ってみたり

「告別式」と言ったりするので違いがわからなくなってしまうのですが、

「どこまでが葬儀でどこからが告別式か?」

という区別については仏式の場合だけでも例にとってみても

宗旨宗派によってまちまちなのです。

一番分かりやすい見分け方は

喪主焼香が始まったら間違いなく告別式に

入っている


と思って間違いないと思います。

例えば禅宗系の宗旨の場合は葬儀のもっとも重要な儀式かつ葬儀の

クライマックスは「引導を渡す」こと。

「引導を渡す」とは転じて慣用句になって

「最終的な宣告をしてあきらめさせる」という意味で

使われていますが、本来の意味は

「迷っている衆生を導いて仏道に入らせること」

ですがわかりやすく解釈すると

「あなたはこの世では死んでしまったのだから

お釈迦さまの弟子としてあの世行って

暮らしなさい。」


ということを宣告しているのです。

引導を渡してしまえば葬儀としての役割を果たしたことになる

のでその後はだた、ひたすらに故人の死を悼めばよいのです。

死を悼む行為の表現の一つが焼香であり、死を悼むことが告別式なのです。

ちなみに仏式の宗旨でも引導を渡さない宗旨もありますので、

あくまでも葬儀の考え方の一例ですのでご注意ください。

「葬儀」とは亡くなった方をこの世からあの世に

送り出す一連の儀式
のことであり、

「告別式」とは亡くなった方を悼む一連の儀式

ことです。











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Posted by フューネ三浦 at 08:50 │コメントをする・見る(4)お葬式の知識
この記事へのコメント
お焼香をするとき、合掌をするとき、何を考え・思ってするのがいいのですか(南無阿弥陀仏とか?)。それは個人の自由と言えばそうだと思いますが、お焼香のとき、儀式的に摘んで眉間のあたりに持っていき、意味も分からず手を合わせているような気がします。それでいいのですかネ?
Posted by hima人 at 2009年05月11日 12:30
2回に渡るご説明に感謝です。

葬儀は最終的に火葬場で送り出す式。

告別式は、お骨になった故人を悼む式。

けど、最近は時間的・経済的な事情で同時に行うようになった・・・。

そう捉えても良いのかなぁ・・・。

けど、焼香は「告別式」になるのですね・・・。

ナルホド・・・と、思いながらコメントしてますが、なかなか文章にならないなぁ・・・。

うん・・・。有難う御座います。
Posted by 華玉山 衣芽呂華玉山 衣芽呂 at 2009年05月11日 22:04
hima人さま
コメント有難うございます。
ご焼香のする時に何を考えてするのがよいのか?
これは間違いなく「亡くなった方」のことを
考えていれば間違いないでしょうか。
中にはご焼香することが目的になってしまい、
故人を悼む気持ちが抜けてしまっては何にもなりません。
ご焼香の作法は宗旨宗派によってすべて作法が違い、この方法が
一番ということをお教えするのは少々時間がかかりますので、
いずれの機会に記事にしますので、いましばらくお待ちください。
とにかく、作法に拘らないで、故人を悼む気持ちが一番大事です。
Posted by フューネ三浦 at 2009年05月12日 08:22
華玉山 衣芽呂さま
記事をしっかり読んで頂いてありがとうございます。
華玉山さまの解釈は間違ってはいないのですが、
葬儀・告別式の本質から少しずれているように思います。
葬儀はあの世(天国)に送り出す儀式。
告別式は死を悼む儀式。
これが本質だと思います。
Posted by フューネ三浦 at 2009年05月12日 08:26
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