2016年07月03日

列車への飛び込み

電車の運転士さんがトラウマになってしまうほど、嫌なことは

走行中の列車に向かって自殺を目的に飛び込んでくることです。

突然の出来事で何とも出来ないからこそ、嫌であり、辛いものです。

今ではホームの転落防止用のゲートが設置されている路線もあり、

転落事故で列車に轢かれて命を落とさずに済むこともあるのですが、

自殺を目的の場合はそのゲートも乗り越えてしまう訳で安全対策に

限界があることも事実です。




列車に飛び込むということは死後の姿は多くの場合、正常な人間の

姿ではありません。

実際に見た人でしか解らないとは思いますが、本当に「肉の塊」

という表現が一番正しいような状態になってしまっているのです。

このような時は警察の方々と協力して速やかにお棺の中に納めさせて

頂きます。そして、状態が悪ければ、お棺の蓋も開かないように

保全するのが常道です。

しかしながら、ご遺族の皆様からするとどうしてもお顔を見たいもの。

「ご対面はご遠慮されたほうがよろしいですよ」

と私たち葬儀社の担当者がお客様にアドバイスをしても、聞き入れて

頂けないことがほとんどです。

お客様から「どうしても」と言われれば、お棺の蓋を開けるの

ですが・・・

やはり、あまりにも変わり果てた姿にショックでという場面に

これまでも何度も立ち会ってきました。時にはそのまま気絶して

しまわれたお客様も過去にいらしゃいました。

これが列車に飛び込みに限らず、焼死・水死なども場合も一緒です。

このような場面に立ち会えば立ち会うほど、穏やかな死を迎えることは

本当に幸せなことなんだと思うのです。




公共交通機関を一人の身勝手な行為で止めるということは本当に

愚かなことであり、どれほどの人が迷惑をするのか考えて頂きたい

ものです。

しかしながら、死を覚悟している人にとってそのことはどうでもよい

ことなのでしょう。

それでも、変わり果てた姿になった肉の塊と形容しても良いご遺体

を丁重に扱う、警察・消防・鉄道会社そして葬儀社の方々の苦労を

知っている私だからこそ、列車への飛び込みによる自殺は絶対に

止めて頂きたいと強く言いたいのです。

さらに、列車の飛び込みがトラウマになって心に大きな傷を負い

運転士を辞めた電車の運転士さんがこれまでに数えきれないくらい

いることをなかなかニュースでは取り上げられませんが是非とも

知っておいて欲しいことなのです。





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Posted by フューネ三浦 at 08:33 │コメントをする・見る(2)日々いろいろ
この記事へのコメント
自殺することが目的になっている世の中は、一体何なのでしょうか?
日本の10代、20代の死因第1位は自殺ですが、確実に死ねるので鉄道自殺をしたり、一人で死ぬのは怖いから死刑を望んだりしているような世の中は、何かおかしいのではと思います。
最近は精神的に疲弊している人が多いので、ホームドアの設置等もそうですが、メンタルケアに力を入れるべきではないかと思います。
自殺した人を責めるのは簡単ですが、いたずらに結果ばかり求めてしまう世の中は一体何なのでしょうか?と思ってしまいます。
Posted by yohshik at 2016年07月03日 13:48
yohshik さま
本当にその通りですね。
自殺の問題は解決できないくらいの難問です。
少しでも問題が解決できるようにしていきたいものです。
Posted by フューネ三浦フューネ三浦 at 2016年07月04日 09:37
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    コメント(2)