2016年01月09日

車いすの視点から

先月、連日の疲れからか胃腸風邪をひきました。

ここまでならば、只の流行りの風邪で済んだのですが、

手と足の筋肉に菌が入り、なんと一時は両手両足が全く動かなくなり、

完全に動けなくなりました。

まさか、風邪をひいて歩けなくなるなんて思いもしませんでした。

歩くたびに激痛が走る状態でしたが、参加をしなけばならない

各種の約束事に行くのに車いすを使用しなければならない状態に。

おかげさまで自分自身の情けなさと人の優しさを実感しました。



さて、生涯二度目となった車イスに乗ったのですが、乗ってみて感じた

ことは本当に皆さん「優しい」の一言に尽きるのです。

行きたい方向の道は空けてくれますし、車いすは代わる代わり押して

くれます。乗っている私の体調も気遣ってくれますし、荷物も持って

くれます。本当に優しさに感謝です。


しかしながら・・・

優しさがあだとなるありがた迷惑と感じることもありました。

ある会合で受付を通る前に車イスに載せられ、いつも受付で認証して

もらう駐車券が認証できず、会合が終わりそれに気づいて「受付」に

行こうというしぐさをしたら、後ろから「どこに行く」と声を

かけられ、このまま車いすを押され、受付とは反対方向に。

その内にしゃべっていて、私も駐車券のことを忘れてしまい、

また別の方が駐車場まで車いすを押してくれて、私の車の前まで送って

くれました。しかしその状態では車は出庫出来ず、また痛い足を

引きずりながら、上の階にいくことになりました。




また、別の会合で足が痛いということで気を使ってある後輩が車で

迎えに来て頂けるという申し出を頂いたのですが、何とか右足が

治ったので運転できるからとお断りをしたのですが、危ないから

どうしてもと再度説得され、お迎えをお願いしました。

会合が終わり、帰るかという時に、後輩が会場にいません。

聞けば仕事上の緊急があり、帰ったということでまたまた痛い足を

引きづりタクシー乗り場まで歩いて帰ってくるという事態に。。。




ありがたいのにありがたくない結果になってしまう。

本人は何も悪気はなく善意なのですが、このようなことは実は

サービスの現場でやってはいけない典型的な失敗例です。

お客様の為に親身になって考えそして、行動し、結果お客様に

多大なご迷惑をおかけしてしまう。。。

このような失敗をする人はお客様との距離感が間違った意味で

近すぎるのです。

昔、多くの旅館では布団を敷いてくれるのが基本でした。

しかし今では「サービスを控える」というサービスを

好まれるお客様も増えています。つまり、布団は自分達で

敷くから何もしないでということなのです。



葬儀というサービスもお客様が悲しんでいるからといって

過剰なサービスはしてはいけません。

泣いているお客様にテッシュやハンカチをお渡しすることが

一番と思って半ば無理やりお渡しするよりも、お客様の気づく位置に

ティッシュやハンカチをさりげなく置いておくことが大切なお客様との

距離感なのです。

大切な距離感とはお客様が何かしたいと思った時にお客様から必ず

見えるところにいること。もしくはその時点でお客様の望むことの

結果を出してあげることなのです。


サービスがおせっかいになってしまうのはプロとしてはご法度です。

只々、車イスに乗って見えたのはもしかしたら、フューネの

サービスがお客様から「おせっかい」になっているのではと

心配でした。





























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Posted by フューネ三浦 at 08:39 │コメントをする・見る(2)日々いろいろ
この記事へのコメント
先日はコメントのお返事ありがとうございました。

車椅子の例では、点字ブロックと車椅子というのが、福祉の難しさを端的に示しています。一方への気遣いが、他方にとっては邪魔という良い例です。

サービスについては、私は、先日コメントした際に弟と都内の有名ホテルに宿泊しました。
そのホテルはサービスは良くて、朝食も美味しいのですが、意外と不便でした。
都内なのに近くにそれなりの大きさのコンビニがなかったり、私はお酒は飲まないのに、冷蔵庫にお酒ばっかりが入っていて、何も入らなかったので、中身を空にしてほしいくらいでした。
このホテルは確かに一流ですが、私には使いにくかったです。
むしろ、もっと安いホテルの方が性に合った気がします。
「コンビニどこですか?」、「歩いて5分です」の方が便利な気がしました。
今回の記事で、便利でさりげないサービスは意外と難しいなと思った次第です。
Posted by yohshik at 2016年01月12日 21:39
yohshikさま
一流の高級ホテルに泊まるよりも、ビジネスホテルに泊まったほうが便利なことってありますよね。用途によっては高級なサービスは無駄になることがあるのです。本当にさりげないサービスは難しいものです。
Posted by フューネ三浦フューネ三浦 at 2016年01月19日 21:38
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