2015年10月23日

癌を患う

生前にお葬式の相談にお越しなられるお客様の存在はひと昔なら

「縁起でもない」と言った言葉に代表されるように敬遠をされることが

多々ありましたが、いつしか葬儀の生前相談は当たり前のように

行われるようになりました。フューネでは葬儀のご依頼を頂くお客様の

約半数の方が何らかの生前での葬儀相談や見積りをされている

のが現状です。

葬儀の生前相談を承っている中で年々増えて来ているのが

本人の葬儀の相談なのです。ご家族の中でご心配の方が

いらっしゃり家族の誰かが相談に来られるケースがほとんどで

あった中、本人が自身の葬儀の相談をされることが増えてきて

いるのです。終活というブームの中で今現在お元気な方が相談に

お越しになられるケースも増えているのですが、本人が直接お越しに

なられる方は癌を患っているお客様が多いのです。

「私、今末期のガンです。」

という言葉をこれまでにどれだけ多くのお客様から聞いて

きたのでしょうか。

この言葉に対して慰めの言葉も元気づける言葉も究極的に

不適切であり普段通りに接することが唯一の対応策であるのです。



癌という病気はなんとも残酷で辛い病気であることは事実ですが、

心不全のように昨日まで元気であった人が突然亡くなるような病気

と比べれば、自分の終末期に様々な整理をすることが出来る貴重な

時間を与えてくれることも事実です。

医師から余命を宣告されてから残りの人生を過ごす過程の中で

自らの死について準備が出来るのです。



私のお客様もがんを患い、葬儀の相談をしていく過程の中で、会う度に

病状は悪化していく姿を見てきました。初めてお会いした時は

癌を患っていることすら解らないくらいだったのに、いつしか自力で

起き上がれなくなっていくのです。それでもお電話を頂き、時には

病室まで来てほしいという依頼を頂き病室に赴き、葬儀の時には

これをやって欲しい、ああして欲しいというリクエストを頂きます。

なかなか辛い仕事ですが、これは葬儀社の社員としての使命を

試される仕事だと思っています。




フューネのお取引先の社長さんが癌を患い、自身の葬儀の相談を

何度かさせて頂いた時、最後の最後にお会いした時も携帯電話に

着歴があり、「病室に来て欲しい」というメッセージがありました。

急ぎ、病室に行き呼吸をするのも困難を極める中で私に最後に

託した要望は「息子を頼む」でした。

葬儀の相談というものは葬儀だけの相談でないのです。








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Posted by フューネ三浦 at 08:21 │コメントをする・見る(0)お葬式の知識
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