2015年10月11日

ストーリー

室町時代の後期から500年以上に続く、日本の代表する和菓子店

「とらや」の赤坂本店の移転に対して同社ホームページに掲載された

挨拶の文章が「すばらしい」とネットで話題になっていると

いうことで、私もとらやのホームページを見て見ました。

以下に引用させて頂きますが、本当に素晴らしい文章です。

十七代 黒川光博より 赤坂本店をご愛顧くださったみなさまへ


赤坂本店、および虎屋菓寮 赤坂本店は、10月7日をもって休業いたします。
室町時代後期に京都で創業し、御所御用を勤めてきた虎屋は、明 治2年(1869)、東京という全く新しい土地で仕事を始める決断をしました。赤坂の地に初めて店を構えたのは明治12年(1879)。明治28年 (1895)には現在東京工場がある地に移り、製造所と店舗を設けました。

昭和7年(1932)に青山通りで新築した店舗は城郭を 思わせるデザインでしたが、昭和39年(1964)、東京オリンピック開催に伴う道路拡張工事のため、斜向かいにあたる現在地へ移転いたしました。「行灯 (あんどん)」をビルのモチーフとし、それを灯すように建物全体をライトアップしていた時期もありました。周囲にはまだ高いビルが少なかった時代で、当時 大学生だった私は、赤坂の地にぽっと現れた大きな灯りに心をはずませたことを思い出します。

この店でお客様をお迎えした51年のあいだ、多くの素晴らしい出逢いに恵まれました。
三日にあげずご来店くださり、きまってお汁粉を召し上がる男性のお客様。
毎朝お母さまとご一緒に小形羊羹を1つお買い求めくださっていた、当時幼稚園生でいらしたお客様。ある時おひとりでお見えになったので、心配になった店員が外へ出てみると、お母さまがこっそり隠れて見守っていらっしゃったということもありました。
車椅子でご来店くださっていた、100歳になられる女性のお客様。入院生活に入られてからはご家族が生菓子や干菓子をお買い求めくださいました。お食事ができなくなられてからも、弊社の干菓子をくずしながらお召し上がりになったと伺っています。
このようにお客様とともに過ごさせて頂いた時間をここに書き尽くすことは到底できませんが、おひとりおひとりのお姿は、強く私たちの心に焼き付いています。

3年後にできる新しいビルは、ゆっくりお過ごしになる方、お急ぎの方、外国の方などあらゆるお客様にとって、さらにお使い頂きやすいものとなるよう考えています。
新たな店でもたくさんの方々との出逢いを楽しみにしつつ、これまでのご愛顧に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

虎屋17代
代表取締役社長 黒川光博



現場においてお客様に常に向き合い、お客様を大切にしてきたからこそ

書ける文章だと思います。

そして、心からのお客様に対する感謝が伝わってくるのです。



いつの時代も時折見せる企業の利益至上主義の果てに起きる顧客を

軽視した問題行動が結果的に企業を破滅の道に追い込んでいく中、

一貫としたお客様目線が出来る企業のみが生き残っていくと

思うのです。

その点ではとらやさんの姿勢は大変見習うべき企業なのでしょう。



ブランドの構成する要素の一つに「ストーリー」というものが

あります。お客様のエピソードを語れるストーリーこそ、企業の

ブランド力の源泉なのです。

フューネの「感動葬儀。」もお客様とともに

作りあげたストーリーに溢れています。

守秘義務もありなかなかリアルタイムにはご紹介できない

のですが、これまでにブログに書いてきたものは時が経って

公開しても良いと判断したものです。

これからもとらやさんのようにお客様とのストーリーを大切にしたい

と思った素晴らしい挨拶文との出会いでした。






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Posted by フューネ三浦 at 08:20 │コメントをする・見る(3)日々いろいろ
この記事へのコメント
日に日に冷え込んできましたね。
これからの時期はお忙しいことと思います。

凄く心に響く記事の添付ありがとうございます。
とても素晴らしい記事に出会えた私は一つ勉強になりました。
お身体御自愛下さい。
Posted by yuri at 2015年10月31日 18:53
yuriさま
コメントありがとうございます。
お客様を大切にしていなければ絶対に書けない素晴らしい文ですよね。私自身も心に響く文章に出会えてうれしかったです。
Posted by フューネ三浦フューネ三浦 at 2015年11月01日 22:06
お忙しい中での御返事ありがとうございます。
こうして、ブログに出逢えて
祖母との対応も穏やかになって大人になっているように自分でも想い感謝しております。
人を敬う気持ち・感謝する気持ち・決して第一印象で偏見をもたないような気持ちになる事も大切だと思う事ができました。
(お恥ずかしいお話しですが)
これからも、ブログを楽しみに拝見させていただきますね。
では、お身体にご自愛下さいませ。
Posted by yuri at 2015年11月15日 20:42
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