2015年04月28日

生い立ち

お葬式を中身のあるものにしようとするならば、お亡くなりに

なられた方にスポットライトを当てなければなりません。

そんなことは当たり前ではないかと思う方もいらっしゃると

思いますが、お葬式は意外や意外、お亡くなりになられた方に

向いていないものです。

ではどこに向いているのかというと喪主に向いていることが以前の

お葬式では多数派だったのです。喪主が会社上の立場から得ている

人の縁で集まった人たちはお亡くなりになられた方とお会いするのは

実は葬儀が初めてなんてケースはしばしばあります。

いわゆる「義理」といわれる弔問の形態であり、義理で

こられた方にとってお亡くなりになられた方の人生なんて正直、興味も

持っていないということが葬儀の現場ではしばしばあるものです。

もっともこれが嫌ということで、お亡くなりになられた方から縁の

あった方のみをお呼びして葬儀をしようというお客様のニーズが

家族葬という葬儀の形態が普及してきた大きな理由なのです。




人の「生い立ち」とは実に面白いもので、その人の人格を形成する

大きな要因でしょう。ですから、その人と表現をするには必ず知って

いなければならない情報だと思うのですが、実は「生い立ち」という

ものは意外に周りの近親者も含めて知らないことが多いのです。

たとえば、会社を経営され、経営者として成功された方の人生を

振り返る時、創業時の苦労や苦難のお話は聞けても、その人の

子供の頃の情報はあまり語らないものです。

しかしながら、その人が子供の頃に直面した環境によってその人の

個性が形成されるのです。親や好きだったプロ野球チームがその人の

贔屓のチームになったり、親が好きだった食べ物はその人も好きになる

逆に親が嫌いであった食べ物は大人になってずっと嫌いであるといった

ようにその人の人生に大きな影響力を発揮しているのです。



実はお亡くなりの方の人生を私たちが葬儀の演出の中で表現しようと

しても多く人々は「平凡」なのです。「平凡」なら幸せ

なのでしょうが、これと言った趣味も特技の無い方のほうが、絶対数で

多いのです。

このような方にスポットを当てる為の秘訣が「生い立ち」なのです。

特に小さい子供の頃に触れあった事柄はその人を表現する手がかりに

なっていくのです。



子供の頃は誰でも冒険心や探究心が豊富であり、刺激が多かったはず

です。それが大人になるにつれて冒険することに勇気に無くなっていき

やがて、危険を避けようとしてお亡くなりになった時は

「平凡な人生」と表現されてしまう。

「平凡」な人生は決して悪くないのですが、たった一度

の人生ですから願わくば刺激の多い人生のほうが良いと思います。

もしも、自分が平凡な人生を歩んでいると思われるのなら、ぜひ自分の

周りの方に自身の生い立ちをしっかりとお話ししておいてください。

それだけで周りの方から決して「平凡」と言われないはずです。















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Posted by フューネ三浦 at 08:34 │コメントをする・見る(0)お葬式の知識
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