2014年08月27日

やっとかめ

名古屋の方言で「やっとかめ」という方言があります。

「久しぶり」という意味で使われる方言ですが、漢字では

「八十日目」と書きます。

やっとかめとは八十日目という意味で、人の噂も75日というように

噂が一周し、さらに少し5日過ぎて「噂も聞かなくなった」ぐらい

会ってない、と言う事から転じて「お久しぶりです」という意味に

なったそうですが、最近まったくと言っていいほど、「やっとかめ」

という言葉を発する人に会っていないものです。

愛知県民と言えども、若い世代はほとんど使うことはなく、そうかと

言って余程の高齢者でなければ使わない言葉になっています。




「久しぶり」という表現を「八十日目」と解釈する、時間的なセンスは

抜群なものだと思います。こうした先人達の教えには人間の心理を

実にうまくついたものが多いのです。

忌明けと言われる四十九日も表向きは仏教では、死者があの世

に行くと、七日目ごとに閻魔大王を筆頭にした十王によって、

生前の善行、悪行を問い審判が行われると考えられています。

このうち、七人の審判で一区切りとなるのです。

この七人の十王によって七日目ごとに審判が行われるので、

7×7=49が49日となった理由とされていますが、

実際には今まで暮らしを共にし、生を共有してきた人がいなくなって

深い悲しみに陥るのは人間としてあたりまえのことです。
 

今までいた生の同伴者がいない生活を心の中で再構築していく

ために、心の葛藤と戦う為に必要な絶妙な時間が49日間だと

いえるのです。おそらく仏教上の教えは後付けでつけた理屈でしょう。

わかりやく考えれば昔の人は悲しみに暮れる人をそっとしておいた

時間が49日間だったのです。しかも、7日間毎に合法的に様子を

見ることが出来るように7日事のお参りの日を定めたのです。

先人の知恵の中で数字的な根拠は実に人間の心理に基づいていて

面白いのです。



ところで、最近80日以上合っていない「やっとかめ」の人と会っても

「久しぶり」という感情があまり湧かないのです。

原因はブログ・メール・LINE・facebook・twitter等

の文明の利器の活用でしょう。

一年近く会っていない人でも今日も何をしているのか

情報がリアルタイムで入ってくるのですから。

これでは「やっとかめ」という言葉がますます死語になっていくことだけ

は間違いないようです。













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Posted by フューネ三浦 at 09:30 │コメントをする・見る(1)日々いろいろ
この記事へのコメント
こんにちは、お世話になります。
いつも色々勉強させて頂いております、
本当に先人の良き伝統は 継承していかなくては
いけませんね、しかし 世の中の進化も速すぎて
便利ではありますが このままでいいのかなー?
と思ってしまいます。 そう言っておきながら自分も
こうして便利なもの活用しては居るのですが!
考えさせられます。 花屋敷 代表太田KAZU
Posted by 花屋敷みよし花屋敷みよし at 2014年08月27日 10:16
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    コメント(1)