2014年03月05日

葬儀をしない

昔から私が葬儀社を経営しているということを知っている方から

このように言われることが度々あります。

「葬儀はいいね。結婚はしない人がいるけど、人は必ず死ぬから。葬儀をしない人はいないよね。」

冠婚葬祭というカテゴリーで考えると少子高齢化の中、ブライダル業界の

苦境から考えると羨ましく思えるのでしょう。

しかしながら、現実はちょっと違うのです。

葬儀をしない人は結構たくさんいるのです。

人が亡くなると病院から火葬場まで直接行くという意味の直葬に代表される

ように、宗教者を呼んでお葬式をしない人は年々増えています。

確かに人は必ず死ぬのですが、死んだからお葬式をするという固定観念は

今や間違いではないでしょうか。例えが適当かどうかわかりませんが、

結婚はするけど式・披露宴はしないというケースと同じです。





葬儀をしない人の中で災害や事故で行方不明になっており、行方不明後

数年も経っているのにお葬式が出来ないという方もいらっしゃいます。

その他にもお葬式をしたくても出来ないという理由をお持ちの方も

いらしゃいます。

先日、フューネに葬儀の相談に来られたお客様は7年前に亡くなった時に

お葬式をやらなくて、とても心痛いので今からお葬式をしたいのですが

というご依頼でした。

事情を聞けば、7年前に亡くなった時に献体をして亡くなってすぐに火葬を

しなかったのでお葬式をしなかったということでした。

確かにご遺体無しのお葬式は意味があるのかという疑問も持つでしょう。

しかし、お葬式をするということの意義は元来、残された人の

「心」の安定の為にするものなのです。

「悲しみを断ち切る」「死を受け入れる」

と言った葬儀の持つ役割が残された人の心にどれだけ好影響を及ぼすかと

いうことは当事者が後からしか気付くことができないお葬式の本質なのです。





葬儀のプロとして言いたいのはたとえどんなに質素なお葬式でも良いから

お葬式をすることは絶対に必要です。

そうでなければ、若い頃、結婚式をしないで結婚した夫婦が晩年になって

結婚式をしたいと望むことと同じことを葬儀でも行ってしまうのです。















同じカテゴリー(お葬式の知識)の記事画像
火屋葬
ペットのお仏壇
葬儀の備え
死を想え!(メメント・モリ)
最高の人生の見つけ方
伝統文化 「伝え」の重要性
同じカテゴリー(お葬式の知識)の記事
 青空納棺 (2022-11-20 08:28)
 火屋葬 (2022-11-10 14:43)
 火葬場も選べるほうがいい。 (2022-10-20 12:11)
 お線香を買い取って (2022-10-10 08:24)
 同居のほうが珍しい (2022-09-20 12:40)
 「死」が軽くなる (2022-09-11 10:38)

「お葬式の知識」カテゴリーを一覧で見る

Posted by フューネ三浦 at 09:25 │コメントをする・見る(0)お葬式の知識
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
葬儀をしない
    コメント(0)