2013年08月24日

女の財産

最近は書籍の出版も含め、講師として招かれ講義をして誰かに

何かを教えるという機会を大変多く頂くようになりました。

大変栄誉なことだと思うのと同時に私なんかが人に教えるなんて

という自問自答をする日々です。学生時代、人前に出ることは

あまり得意ではなかった私ですが、必要に迫られて気がつけば

人の前で臆せずお話しをすることが出来るようになってしまいました。

もちろん、人に何かを教えるということは自分自身がとても勉強を

しなければなりませんし、知識だけはダメで経験も絶対に必要です。

先日、ふと私が初めて講師として招かれて行った先はどこだったか

と頭とよぎり、そういえばある呉服店の社員研修であったことを

思い出しました。若干25歳の時、とても緊張したことを思いだしました。

テーマは「家紋と喪服」

ということで、駆け出しの頃必死で覚えた家紋のことと葬儀における

喪服について呉服店の社員の皆さまにいお話しをしました。





正直、今の葬儀業界では「家紋」の知識など全く必要がなくても十分に

通用する時代です。実際にフューネの社員教育でも家紋のことは

ほとんど教えてはいないのが実情です。

しかし、家紋も知れば知るほど面白く、自分のご先祖様や歴史を紐解く

中でとても重要な役割を果たしていると思います。



くわしくは「感動葬儀。」ブログでも過去3回書いています。
下記のリンクからご覧ください。

2009/07/03
家紋帳
 
2009/05/22
六文銭
 
2008/07/10
家紋










さて、喪服の家紋の面白いことはその家の家紋ではなく、嫁いできた

嫁の実家の家紋が入っています。お葬式の時、喪主の奥様の喪服の紋を

見れば奥様の旧姓さえも解ってしまうこともあるのです。

専門的には「女紋(おんなもん)」と言いますが、手鏡や鏡台、

箪笥をはじめとする花嫁道具にもことごとく入っていました。

現代は花嫁道具なんて言葉自体も死語に近いような婚礼がほとんどで

仮に実家から家具を持ってきたとしても、わざわざ家紋を入れる方は

まずいっらしゃいません。しかし、婚礼時に持参する着物(喪服)には

現代でもちゃんと家紋(女紋)が残っています。





では実家の家紋が入るのはなぜなのか。

それは「妻の財産である」ということを明確にするためです。

江戸時代は万一、夫が事業で失敗したとしても、妻の財産は

差し押さえからのがれることができました。

また、江戸時代は非常に離婚が多かったのですが、

家紋が入っているということで「これは私の財産です」と、

さっさと自分のものを持って実家へ帰ればよかったのです。

また、女紋の入った家具を男が売るということをすると

世間の社会的信用を失うといったこともあったそうです。

喪服に刻まれている女紋は「女の財産」だというアピールなのです。








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