2013年04月12日

うかつあやまり

「うかつあやまり」という江戸しぐさはご存知でしょうか。

江戸しぐさとは江戸時代に生まれた商人道、人の上に立つ者の哲学として

語られる「しぐさ」の総称でありその数は八百とも八千とも言われています。

江戸人の知恵が教えのなかにちりばめられており、現代に活かせる教訓は

多々あるのですが、その中の代表的な「しぐさ」と一つとして「うかつあやまり」

という「しぐさ」があります。

たとえば人に足を踏まれた時、踏んだ人はもちろん謝りますが、踏まれた人も

「こちらこそうっかりしまして」と、口には出さなくともそぶりを見せると、

その場がなんとなくいい雰囲気になります。江戸ではこういったしぐさを、

「うかつあやまり」と言いました。

現代においても電車の中や、人ごみの中でこのような場面に出くわすことが

多々あります。

しかしながら、近年の日本人は「うかつあやまり」が自然に出来ない人が

増えているように思います。

出来ていないからどことなくギスギズしたトラブルが多いように思うのです。

お葬式の現場でもそう。焼香の列に横入りしたしないといった参列者の

揉め事や焼香順位の順位や名前が違うと言って喪主に言いよる親族達。

うっかりミスをしてしまった人のことを気遣う心もなくただ責任を追及したり

非難をすることは非日常のお葬式の場には特にふさわしくないように感じます。




江戸しぐさは粋な文化だと言われています。

粋とは現代語訳をすれば「かっこいい」という意味に訳せます。

マナーとは相手を気遣う心から生まれています。

みなさんには粋な人間であってほしいものです。

特にお葬式の時の粋な振る舞いを願ってやまないのです。





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