2011年08月19日

死の受容

スイスの精神科医・キューブラー=ロスが『死ぬ瞬間』という本の中で

発表した「死の受容」というプロセスはご存知でしょうか?

人は死を目の前にした時に起きる感情のプロセスのことであり、

否認→怒り→取引→抑うつ→受容

という順番です。

余命宣告を受けた患者はまず死が迫っているという事実を受け入れることが

難しいのです。(否認)

そして「なぜ私が・・・」がという怒りに変わり(怒り)

できることななら「助けて」と神や仏に懇願する行為(取引)に走り、

それが叶わなければなにもする気が起きなくなる状態になり(抑うつ)

やがて自分が死ぬという事実を受け入れるようになります。(受容)




このプロセスは自分自身に突然に迫りくる「死」という現実に人間の心情が

変化する様子を表現した内容です。

しかし、誰もが避けては通れない「死」ですが、事故や災害などで即死

場合は死の受容のプロセスを感じることなく死を迎えることになります。

自分の「死」に対して受け入れる時間がなくこの世を去ってしまうことは

「考える」ということを許された人間としてはとても残念なことだと思います。

余命宣告というのは「死の告知」ということですが、どんなに「死」の恐怖に

苦しんでも、最後は「死」を受け入れる気持ちになって死を迎えることができる

ことはとても幸せなことだと思います。



「死の受容」ができる最期を迎えることは最高の「死」なのかもしれません。

もし自分自身が余命宣告を受けた時、このような心の整理ができるかは

不安ですが、心の整理ができる最低限の時間は欲しいものです。


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この記事へのコメント
こんにちは、“隊長”です。

もし私が「余命半年」の告知を受けて
本当に「容認」せざるを得ない状況になったら
元気なうちに『FUNE』さんで、Boo-log仲間を対象とした
生前葬(お別れ会)をやりたいと思ってるんですが・・・
ダメかな?

会費制でも、10人・・・いや、5人くらいは来てくれると思うんですが・・・。

では、また。(^0^)/~~ バイバイ
Posted by 草野球チーム・自営隊 “隊長” at 2011年08月21日 11:50
生がある限りいつかは死が訪れるわけですが
余命宣告はつらいですがあった方が私はいいかなと思います
今後の生き方とかいろいろ準備が出来ますからね
お葬式のこととか、お金のこととか、家族のこととかブログのことだっていっぱいやらなくてはならないことありますからね

ただ余命宣告も医療の発達でそれほどあてにならないようになりましたね
あと数年と余命宣告受けた方が10年以上ピンピン
してますからね(笑)
Posted by ぷ~ぷ~ at 2011年08月21日 22:12
隊長さま
きっともっとたくさんの方が集まると思いますよ。
まあそんなことにならないようにお祈りしています。

ぷ~さま
たしかに余命宣告はあてにはなりませんね。
しかし、はずれるからといって宣告がなければ
何も整理ができないですよね。
いろんなこと、ブログも整理をしなければずっと
ネット上に残ってしまうのが今の現実です。
Posted by フューネ三浦 at 2011年08月22日 08:23
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