2010年12月05日

無縁社会

早いもので今年も残すところあと一ヶ月となりました。

12月に入ると公私ともに今年を振り返ることが幾度とあり、例えば忘年会は

まさに今年を振り返る為の大義名分でしょう。




さて、今年のお葬式の関連でのニュース・トピックス・キーワードといえば

先日の流行語大賞2010のトップ10にも選ばれた

「無縁社会」が一番でしょう。

まさか流行語大賞のトップ10に選ばれるとは思ってもみませんでしたが。

「無縁社会」という言葉を流行らせたのはNHKです。

今年、『NHKスペシャル』などで関連する企画を放送し、

大きな反響を呼びました。

現在の日本では年間の自殺者を上回る3万2000人の方が

孤独死(無縁死)を迎える現状であり、孤独死は30代・40代の

方が他人事ではないという認識が一気に浸透させた問題提起でした。

30代、40代ですでに社会から孤立する者が急速に増えているといわれており

ネットでも大反響でした。





地域社会との「無縁」。会社の人間関係の「無縁」。

これらは「人には迷惑をかけたくない」という風潮が

「無縁」を生み出していると考えられているのです。

人は生まれながらにして一人では生きていけない

のであり、言ってみれば親・兄弟・友人・知人・同僚・地域の方に迷惑を

かけなければ本来は生きてはいけないはずです。

「迷惑をかける」ことの代償として社会のルールや上下関係があり、

またそれを守ることが一人前の社会人と言われてきたのですが、

今、それが崩壊しつつあるのではないでしょうか。

お葬式の現場では実際に孤独死で亡くなる方が近年ハイペースで増えてきて

いますし、地域や会社関係の弔問を一切お断りする「家族葬」

本当に多くなりました。

いつも思うのですが、

お葬式は「無縁」では絶対に成り立たない

ものであり、仮に「無縁」でのお葬式があるとしたらそれは遺体処理

しかないのです。



無縁社会といえど、私は若者たちが無縁かといえば決してそんなことはないと

思います。今年流行ったネット上でのつぶやき「ツイッター」はまさに

縁と縁を繋ぐ現代版のコミュニティだと思います。

私もツイッターをやっていますが、300人以上の方が私のつぶやきを受信して

くれていることはとても深い「縁」を感じます。

むしろ、高齢者のほうが「無縁」に近いところにいるのではと思います。




最後に「縁」とは気づきだということをお伝えしたいのです。

いくら自分の周りに良縁があっても気づかなければご縁は生まれません。

無縁社会から脱却する為には自分自身から積極的に「気づく」努力をしないと

いけませんね。

お葬式は縁に気づかせて貰える場所なのです。

この人とこの人は実は繋がっていたという事実はしばし葬議に参列して初めて

気づくことになるのです。

そして、それらの「ご縁」はご先祖さまのおかげだということが多いのです。

人と人のご縁を繋げるお葬式。

不思議なご縁を繋げるこの仕事に誇りを持っていますし、

やはり無縁社会に対抗するにはお葬式は絶対に省略してはなりません。




































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Posted by フューネ三浦 at 09:00 │コメントをする・見る(0)お葬式の知識
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