2016年05月10日

物を壊すお客様

葬儀に関する備品には意外と高価なモノが多いものです。

特に宗教儀礼に使用するような道具というものは何気ないモノでも

10万円を軽く超えるものが多く、中には100万円を超えるモノも

あります。ですから、私たちは大切に管理し、保管をしています。




葬儀の会場には多くのモノが溢れています。

同時に多くの人々が会葬者として出入りする訳ですから、いくら

注意をしていてもモノが壊れます。そのこと自体は仕方のないこと

ですから、お客様が悪意を持って壊した訳でなければ、私たちは

基本的にお客様に損害を請求しません。




ところが、悪意で壊すお客様はいるものです。

大人が悪意を持ってモノを壊すお客様は論外でもっての他ですが、

子供さんが悪ふざけをしていてモノを壊すということは良くあること

です。子供さんに責任を負わせる訳にはいかず、基本的に親である

大人のお客様に何らかの責任を負って頂くのですが、本当に高価

な仏具を悪戯されるのはヒヤヒヤします。



モノに当たるお客様がいるのも葬儀の会場ならではです。

大切な人を亡くした悲しみをモノにぶつけてしまうことがあるのです。

湯呑みを投げる、ごみ箱を蹴るといったことは特に真夜中の葬儀会館

で喪主が一人になった時に突然起きるものです。

お亡くなりになられて、悲しみをこらえて通夜式を終えてやっと一人に

なれた時。。。悲しみの感情が爆発してしまうものなのでしょう。

翌朝、「壊してしまいました。弁償します。」と大方のお客様が申告を

して頂けるのですが、多少の被害ならば、弁償代を頂かないように

しています。本来であれば、モノに当たることも良くないことですが、

モノにあたって悲しみの感情が少しは収まるのなら安いものです。

中にはモノに当たって翌日、お怪我をされているお客様もいらっしゃい

ます。痛さを悲しみの表現なのです。










  

Posted by フューネ三浦 at 08:24 │お葬式の知識

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