2015年10月07日

軽い

これまでに何度もブログの書いてきたように出来ればやりたくない

葬儀の仕事は子供の葬儀です。小学生を上がるかあがらないかと

いう年齢の子供のご遺体と対面するとなんともせつなく、心がギシリ

痛むのです。おそらく、その子が本来歩むべき未来を私たちは勝手に

想像し、その子の無念さ、理不尽さにやりきれなさを感じてしまうの

でしょう。合わせてその子が我が子だったらと自分の子と重ねてしまう

ことによってさらに切なさが募るものです。

さらに、赤ちゃんのご遺体に対面した時はもっと心が痛むのです。

何も生まれてきてすぐにこんな不幸な目に遭わなくても・・・

と多くの人が思う感情です。

そして、ご遺体がとてもきれいであることも心の痛みに影響がある

はずです。総じて、ただスヤスヤ眠っているようにしか見えない

その姿はなんとも痛ましいものです。





震災や災害などで多くの警察・消防・自衛隊の皆様が子供のご遺体に

直面して心を痛めています。任務だ、使命だという大義に気持ちを

保っているはずですが、一人の人間としてとても辛いはずです。

そして、さらに辛くなる瞬間はご遺体を持ち上げた時です。

「軽い」のです。

私も子供のご遺体を何度もお運びをしたことがありますが、

大人のご遺体に感じる重たさに慣れているいわゆるご遺体の重さに

比べてのあの軽さはなんとも言えないものがあります。

ご遺体は「軽い」という事実に衝撃的な心の痛みを感じるのです。

ましてや赤ちゃんのご遺体を抱きかかえた時の「軽すぎる」という

感覚は精神的におかしくなるほどの衝撃を私にくれるのです。





ガンなどの病気で骨と皮になった自分の親の葬儀で子はご遺体を

持ちあげた時に「軽い」と涙を流している姿もなかなか辛い瞬間です。

ご遺体が軽いということが「死」」という事実を究極的に私たちに

認識してくれるものだと思います。







  

Posted by フューネ三浦 at 08:23 │お葬式の知識

コメントをする・見る(0)